高血圧 生活改善治療の知恵

高血圧、高血圧症、治療、生活習慣改善

高血圧の治療

スポンサーリンク

血圧の薬

 血圧の薬は根本的に高血圧を治すものではありません。飲んで血圧が下がっていても、やめると血圧がもとに戻ります。つまり、薬で完治するわけではないため、中止することは出来ません。中止するためには、動脈硬化が進行する前に生活習慣を改善し、正常な状態となる必要があります。

よって、正常の血圧を維持するために毎日薬を飲んで血圧が上昇しないようにすることが重要です。

治療を初めて、すぐに正常の血圧になることは危険です。 長い年月で徐々に上がった血圧を、急激に下げるとめまいやふらつきという症状が出たりします。さらに体の各部分に高い血圧で血液を送っていたのを、急に血圧が下がると各部分に血液が十分送れなくなります。つまり、数ヶ月かけてゆっくり血圧を下げていくことが重要です。

降圧剤の種類と特徴


(1)カルシウム拮抗薬(カルシウムチャンネル阻害薬):血液中のカルシウムイオンは動脈壁の平滑筋を収縮させる作用があります。カルシウム拮抗薬はこのカルシウムのはたらきを抑え、動脈(細動脈)が広がって血液が流れやすくなり血圧が下がります。初期のカルシウム拮抗薬は作用が急激で効いている時間が短かったため、1日に何回も服用しなければなりませんでしたが、最近のカルシウム拮抗薬は1回服用するだけで1日効果が持続し、副作用も非常に少なく使いやすくなりました。現在日本で最も多く使われています。血管が拡張するので脳、心臓、腎臓など重要な臓器の血流に悪影響が出にくい薬です。特別の支障がない限り高血圧の最初に投与される一般的な薬です。

(2)ACE阻害薬:腎臓からでる物質であるレニンがアンギオテンシノーゲンという物質に作用してアンギオテンシンTという物質に変り、さらにこれが肺にあるアンギオテンシン転換酵素(ACE)の作用でアンギオテンシンUに変化して血圧を上昇させます。つまり、ACEの働きを阻害することによってアンギオテンシンUが出来なくなり、血圧を下げるための薬になります。この薬は血圧を下げるだけでなく、動脈硬化や心臓肥大、蛋白尿をおさえる効果があり、また心不全にも有効です。タナトリル(一般名イミダプリル)は空咳の副作用が少なく、ACE阻害薬の中では使いやすい薬です。

(3)A−U阻害薬:比較的最近発売された薬です。ACE阻害薬のところで説明したアンギオテンシンUは末梢血管を収縮させたり、副腎皮質からアルドステロンというホルモンを分泌させ、塩分を貯留させるなどの作用で血圧を上昇させます。A−U阻害薬はこの作用を抑える効果があります。ACE阻害薬に見られる空咳などの副作用がなく、他にも目立った副作用がないので使いやすい薬です。効果はすぐには現れず数週間かかってジワリと効いてくる薬です。ACE阻害薬同様、動脈硬化や心臓肥大、蛋白尿をおさえる効果があります。最近国内での使用量が増えています。

(4)β遮断薬:カテコルアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)のβ作用を遮断することによって血圧を下げます。脈拍が遅くなり心臓の収縮力が弱くなります。高血圧で脈の速い人、あるいは緊張すると脈が速くなって血圧が上がるような方に適しています。気管支喘息のある人には使わないほうが良い薬です。もともと心臓が弱っている人にも注意して使う必要がありますが、β遮断薬には速すぎる脈を落ち着かせ、心臓の酸素消費量を減らすなどの作用もあるので、心不全の治療にも使用することがあります。

(5)α遮断薬:カテコルアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)のα作用を遮断することによって血圧を下げます。末梢血管の抵抗が少なくなり、β遮断薬の逆に脈拍が早くなります。インスリンの効き目を良くする(インスリン抵抗性を改善する)作用もあるので、糖尿病があって血圧の高い方や、もともと脈の遅い方に適しています。

(6)利尿薬:降圧薬の中では歴史の古い薬です。腎臓から尿に排泄される塩分(ナトリウム)を増やし、血液中のナトリウムを減らし、循環血液量が減ることによって血圧が下がります。塩分摂取量の多い場合には特に適しています。利尿剤のなかでも古くから使われているサイアザイド系利尿薬は尿酸や中性脂肪が増える、血液中のカリウムが低下する、糖尿病が悪化する、などいろいろな副作用が現れることがあり、以前ほどには使用されなくなっていましたが、ごく最近米国で行なわれた大規模臨床試験の結果、その効果が見直されつつあるところです。しかし、日本で現在主に使用されているのはループ利尿薬という種類の薬です。カリウム低下などの副作用がサイアザイドより軽くなっています。スピロノラクトンという利尿薬は血液中のカリウムを低下させずむしろ増やす作用があり、ループ利尿薬の作用を増強し副作用を軽減させるので心不全を伴う場合などに併用されることがあります。


スポンサーリンク