高血圧 生活改善治療の知恵

高血圧、高血圧症、治療、生活習慣改善

高血圧の診断基準

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 年齢を問わず、収縮期血圧を130未満、拡張期血圧を85未満に保つことが必要で、降圧剤を服用していない人で収縮期血圧が140以上、拡張期血圧が90以上の場合は高血圧症と診断されます。
様々な研究の結果から、推奨される血圧は低くなる傾向にあり最新の高血圧症ガイドライン(2004年度版)では至適血圧(高血圧症ではないが、推奨される血圧)は、収縮期120mmHg以下、拡張期80mmHg以下とされています。

高血圧に伴う心疾患を引き起こす可能性が高くなる危険因子の種類と内容は以下のものに分類されます。
危険因子の種類
危険因子 収縮期ならびに拡張期血圧
脈圧(高齢者の場合)
年齢(男性>55歳、女性>65歳)
喫煙
脂質代謝異常
空腹時血糖値(102〜125mg/dl)
耐糖能異常
腹部肥満(腹囲:男性>102cm、女性>88cm)
若年発症の心血管疾患の家族歴(男性<55歳、女性<65歳)
無症候性臓器障害
無症候性臓器障害 心電図で左室肥大
心エコーで左室肥大
頚動脈壁肥厚
頚動脈−大動脈脈波速度>12m/秒
足関節上腕血圧比<0.9
血漿クレアチニン軽度上昇(男性:1.3〜1.5mg/dl、女性:1.2〜1.4mg/dl)
低い糸球体濾過量推定値、クレアチニンクリアランス低下(<60ml/min)
ミクロアルブミン尿:30〜300mg/24hr
アルブミン−クレアチニン比(男性≧22、女性≧31mg/g・クレアチニン)
糖尿病 空腹時血糖値≧126mg/dl。複数回の測定
負荷後血糖値>198mg/dl
確立された心血管疾患および腎疾患 脳血管疾患:虚血性脳卒中、脳出血、一過性脳虚血発作
心疾患:心筋梗塞、狭心症、冠動脈再建術、心不全
腎疾患:糖尿病性腎症、腎不全、尿蛋白(>300mg/24h)
末梢動脈疾患
重症網膜症:出血あるいは滲出物、乳頭浮腫

そして、危険因子の数と血圧値の組み合わせから、今後心血管系の疾患が発症するリスクは次のように分類することができます。
血圧値および危険因子の数から考えた予後の評価
  血圧値  
他の危険因子と病歴 グレード1
(軽症高血圧)
収縮期血圧
140〜159
または
拡張期血圧
90〜99
グレード2
(中等症高血圧)
収縮期血圧
160〜179
または
拡張期血圧
100〜109
グレード3
(重症高血圧)
収縮期血圧
180以上
または
拡張期血圧
110以上
他の危険因子なし 低リスク 中等リスク 高リスク
1〜2の危険因子 中等リスク 中等リスク 超高リスク
3つ以上の危険因子
 無症候性臓器障害または糖尿病
高リスク 高リスク 超高リスク
確立された心血管疾患および腎疾患 超高リスク 超高リスク 超高リスク



以下の場合は、下記項目に該当するだけで高血圧に伴う心疾患発症リスクが高い場合になります。
高リスク患者 確定因子
高/超高リスク患者 ・血圧:収縮期≧180、拡張期≧110mmHg
・収縮期血圧160mmHgとともに低拡張期圧(<70mmHg)
・糖尿病
・メタボリックシンドローム
・3個以上の心血管危険因子
・以下のいずれか1つの無症候性臓器障害
 心電図・心エコーで左室肥大
 超音波検査で頚動脈壁肥厚またはプラークの存在
 動脈スティフネスの増大
 血清クレアチニンの軽度上昇
 糸球体濾過量推定値またはクレアチニンクリアランスの低下
 ミクロアルブミン尿または尿蛋白
・確立された心血管疾患または腎疾患

最近ではこのように、血圧の値と危険因子の数およびその内容から、今後心血管イベントがどの程度の頻度で発生するか、予測できるようになりました。その結果をまとめると、高血圧の治療は、心肥大、脳血管障害、腎障害、高血圧性網膜症などの臓器障害が起きる前に、できるだけ早期から開始して、適正な血圧を保つことが必要です。高血圧は体質が関係している部分が大きいので治りにくい病気ではありますが、食事療法・運動療法などによるライフスタイルの改善により、服薬を中止できる患者さんもいます。薬の副作用を恐れたり、服薬するのが面倒だからといって高血圧を放置しておくと、脳卒中、心筋梗塞、腎障害から腎不全となり透析をしなければならなくなるなど、かえって生活の質が悪くなります。血圧が高い方は医師と相談をして、適切な治療を受けるようにしましょう。

 血圧は、そのときの心身状態により著しく変動するため推奨される正しい測定法を行い、再現性(何度計測しても高血圧症であること)があることが大切です。一度の計測だけでは診断できません。したがって、最近では家庭血圧を重んじるようになってきています。腕に巻くタイプの血圧計を使用して、朝は起床後1時間以内、排尿後、座位1-2分後、降圧剤の服用前、朝食前に測定、晩は就寝前、座位1-2分の安静後にそれぞれ測定することが推奨されています。家庭で測定する血圧も同様に130/85mmHg以上を高血圧、120/80mmHg以下を適正血圧として診断します。このように家庭血圧の記録や24時間携帯型血圧計を診ることで診察室以外での血圧も評価することが可能となり、より確実な血圧管理ができるようになります。

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