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難聴

■耳の構造ときこえのしくみ

 外耳(耳介や外耳道)は空気の振動として伝わってくる音を集めます。この振動は鼓膜と中耳にある三つの骨(耳小骨:ッチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)によって、大きな振動へと増幅されます。この振動が次に内耳(蝸牛)に伝わり電気信号に変えられます。この信号が聴神経(蝸牛神経)を通って脳へ伝えられて、音や言葉として理解されるのです。


■難聴の種類

 外耳・中耳に原因がある伝音難聴と、内耳から脳までの間に原因がある感音難聴の2種類があります。前者は耳垢が栓のようにたまった耳垢栓塞〈じこうせんそく〉、中耳に液体がたまる滲出性中耳炎〈しんしゅつせいちゅうじえん〉、急性中耳炎などの場合に多く見られます。後者は年齢とともにきこえが不自由になる老人性難聴や急性音響性難聴などでみられます。伝音難聴の場合、多くは治療によってきこえを回復させることができますが、感音難聴の場合、急にきこえが悪くなったもの以外は、残念ですが治療でよくすることは難しいのが現状です。


■一側聾(高度難聴)とは

 一側聾(高度難聴)とは片方の耳だけが高度難聴である場合を言い、以前は1000人に1人位と比較的高い頻度で発見されていましたが、最近の調査では児童・生徒10、000人に4人程度と減少しています。学齢期まで気づかれずに、健診ではじめて見つかることが少なくないので、学校保健上問題となります。原因は先天性かおたふくかぜ、どちらかの可能性が高いのですが、実際にはどちらかわからないことが多いです。
 治療は残念ながら、現在のところ有効な治療法はありません。
 きこえない耳と同じように、反対の耳の聴力を失う可能性はほとんどありません。ただし、普通の耳と同じく、強い騒音や中耳炎などのために難聴になるおそれはあります。また、おたふくかぜにかかると、きこえの良い方の耳が高度難聴になる可能性もあります。一側聾が発見された時点で、まだおたふくかぜにかかっていない場合には、予防注射を受けておくことをおすすめします。かかったかどうか分からない場合には、小児科の先生に相談するとよいでしょう。
 正常の人のようにステレオで音をきくことはできませんが、一側の耳できくことに十分なれていますので、実生活で大きなハンディキャップとはなりません。飛行機のパイロットになれないなど、特別の職業を選択できない制約を受けますが、それはきわめて例外的な場合です。


■急性音響性難聴とは

 強大な音にさらされることによっておこる難聴で、内耳の障害によるものです。ロックコンサートやディスコなどで起こった場合にはロックコンサート難聴、あるいはディスコ難聴と呼ばれます。コンサートに行った直後から、耳のふさがった感じや、難聴、耳鳴がするといった症状が出ます。帰宅までに治ることもありますが、翌朝になっても消えないこともあります。通常、耳の痛みやめまいを伴うことはありません。
 難聴の程度が軽く、早く治療を開始した場合は治ることもあります。難聴や耳鳴を自覚した場合にはできるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することが必要です。
 予防法はコンサートではスピーカーからできるだけ離れるようにするなど、強大な音にさらされないように注意することです。音に対する感受性は個人差が大きいので、同じように強大音にさらされても難聴になる人とならない人がいます。
 治療をしても難聴や耳鳴が残ってしまうことも少なくないので、耳がおかしいと感じたら、途中できくのを止めて会場を出る勇気も必要です。また、ヘッドホンステレオは、周囲に音もれがする程の音量できくのはやめましょう。若い時から耳を大切にするよう努めましょう。

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■心因性難聴とは

 耳には原因となる病気がなく、こころが原因で起こる難聴です。自覚症状がなく日常生活でも気づかれずに、定期健康診断時の聴力検査ではじめて疑われる場合と、「耳がきこえない」、「耳の中で音がする」などの訴えで耳鼻咽喉科を受診して診断される場合とがあります。この両方をあわせると、小中学生で1万人に5〜8人ぐらいいます。男子より女子に多く、年齢的には6〜12歳に多くみられます。
 心因性難聴の子どもの多くは日常生活に何の訴えもなく、親や周囲の人もきこえが悪いことには気づかず、ほとんどが学校健診時の聴力検査ではじめてわかるという特徴があります。そのうち7割近くは、背景に子どもをとりまく環境からくるストレス(外的因子)」と、子ども自身の性格(内的因子)との関係で難聴がおこると考えられます。大半の子どもが環境に適応できても、一部の子どもは適応に時間がかかったり、適応できにくいため症状がでるのではないかと考えられています。
 原因となるストレスとしては学校生活と家庭での問題に関することがほとんどです。学校生活に関することでは、学習、友人関係、転校やいじめなどさまざまです。具体的には「担任がかわった」、「クラス替えがあった」、「クラスの雰囲気になじめない」など比較的単純な原因から、「いじめ」など深刻な原因まであります。
 家庭での問題では、両親の離婚、親子関係、兄弟関係などいろいろです。単身赴任で父親が不在がち、進学問題で親と意見が合わない、手のかかる兄弟がいてかまってもらえない、逆に親のかまいすぎなどがしばしば誘因になっています。ほかには、自身の病気のこと、塾・けいこ事などが負担になっていることもあります。問題が複雑にからみあっている場合も多く、どうしても原因を把握できない場合も3割位あります。
 治療は診断がついたら、本人や家族に「難聴をおこす病気がないこと」、「普通に聞こえていること」を話し、自信をとりもどしてもらうことが必要です。また、聴力の異常は心理的葛藤の警告信号であり、発症の背景にこころの問題があることが多いことを保護者に十分説明し、理解してもらうことが肝要です。
 学校健診で発見されたが、難聴の自覚がないかあっても軽く、日常生活に支障がないもので、心因が明らかでないか、疑わしい程度の場合には、上に述べた説明と経過観察で改善するものが大部分です。心因が明らかな場合には、その内容に応じて、保護者(家族)や学校関係者の協力が必要となります。これらで改善がみられない場合は、カウンセリングなどの心理療法や精神療法を行うこともあります。

会話がききとりにくく、何度もききかえしをするために友人関係にトラブルを生じたり、友人以外でも家族や教師の話がききにくく、日頃から不便で気になっており、ぜひ治したいと思っているものも多く、本人にとってはかなり深刻な問題のようです。原因は正確には不明ですが、きこえにくくなる時間帯が朝や夜ではなく日中に多く、しかも週初あるいは週末ではなく、週の半ば(火、水、木)に多いことは、学校生活と何らかの関わりがあることが推定されます。
 このように自分の聴力に不安を抱いている生徒に対して(「他人の話をききとる自信がない」と訴える中学生がいます)、くわしい聴力検査を行って、聴力が正常であることを十分に納得させることは非常に重要で、その上で学校医、教師、家族、友人が生徒本人の訴えを謙虚に聞いて理解するよう努めることが何より大切です。

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