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半規管によるバランス感覚

「めまい」とは

 めまいは実際にはからだが回転したり、ふらついたりしていないにもかかわらず、あたかも回転したり、ふらついているかのように感じてしまう現象です。心理的側面を持った感覚異常といえます。めまいはからだの平衡をとる仕組みが崩れたときに起こってきます。情報を集めて判断し、指令を出す平衡感覚の中枢器官(中央統括センター)は脳にあります。小脳と脳幹は大切な役割を果たしています。

 平衡感覚の情報を中枢の脳に送る末梢器官(地方出先機関)は目、耳、頚部(くび)や四肢(手足)の中にあります。目は光(周囲の映像)の情報を、耳は加速度(速度の変化)の情報を、頚部や四肢は深部の筋肉の収縮や皮膚の圧力の情報を脳に送ります。この末梢と中枢の情報交換の仕組みが崩れたときにめまいが起こってきます。

 耳はきこえの器官ですがめまいとも関係があります。耳は音をきくカタツムリの形をした蝸牛と、からだの平衡をとる耳石器〈じせきき〉と三つの半規管くはんきかん>で構成されています。耳石器(前庭器官とも言い、卵形嚢〈らんけいのう〉と球形轟〈きゅうけいのう〉からなる)は直線加速度や重力などの垂直加速度を、半規管は回転加速度を感知します。音の振動や加速度のエネルギーは内耳の内リンパ液の中に浮かんでいる毛細胞がセンサーとなって感知し、情報は神経を伝って脳に送られます。この耳石器や半規管が障害(機能過敏になったり、機能低下になる)されると異常な情報が脳に送られ、めまいが起こってきます。

耳が原因で発症するめまいの代表的な病気としてメニエール病を紹介します。耳の異常でめまいが起こることを最初に発表したパリの医師メニエール(1799〜1862)を記念してメニエール病という病名が使われています。その後の研究で内耳の内リンパ液の異常産生(内リンパ水腫)により発症することが明らかになってきました。耳鳴や耳閉感(耳がつまったような感じ)、難聴が先行し(どちらか一方の耳の場合が多い)、突然、ぐるぐるまわるめまい発作が起こってきます。めまいと共に吐き気がしたり、嘔吐をともなうこともあります。めまい発作はいずれ治まりますが、時として忘れた頃に再発したりします。

 めまいは脳(脳幹〈のうかん〉、小脳〈しょうのう〉)に腫瘍が出来たり、出血したり、脳血管の血の巡りが悪くなったり、つまったりしても起こってきます。その時、めまい以外に頭痛、ものが二重に見える、舌がもつれる、手足がしびれるなどの神経症状を合併するのが特徴です。耳が原因で起こるめまいの場合はめまいの起こりにくい姿勢をとって安静にして、少し落ち着いたら早急に医療機関を受診してください。脳が原因で起こるめまいの症状のある時はすぐに医療機関を受診してください。

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乗り物酔いとは

 乗り物に乗ると気分が悪くなり、顔面が蒼白となり、ふらふら感や冷や汗が出て、吐いてしまうことがあります。これは乗り物の揺れ(動揺)が原因でおこっており、乗り物酔い(動揺病)といいます。乗り物の種類により、車酔い、船酔い、空酔い、宇宙酔いといわれどれもほぼ同じ症状を示します。幼児や老人は酔いにくく、小学校入学頃より酔いやすくなり、高学年になるにつれて多くなり、女子の方が男子よりと多いという統計があります。

 前述したように耳石器、半規管はからだの平衡(バランス)をとる上で大切な役割をしています。動く乗り物に乗ると発進・停止の繰り返しやスピードの変化など前後・左右・上下・回転の加速度刺激を耳(耳石器、半規管)が受け、目の前を流れる景色の視覚刺激を目が受けます。それらの情報は無意識に脳に送られます。しかし、予測しない慣れない刺激を繰り返し受け続けると脳は情報過多となり、脳が混乱して自律神経に異常な信号を送ってしまいます。その結果、最初は生あくび、生つば、次に気分が悪くなり顔面蒼白、ふらふら感、冷や汗が出て、ついには嘔吐などの症状が出てしまうのです。

 バスの前の方の席に座り、進行方向の景色を見ていると乗り物に酔いにくいと言われています。車を運転する人はまず酔うことはありません。これは車の進行方向を意識して自然に身体が加速度に適応しているからです。車の進行方向が見えず、どのように揺れるか判らない後ろの席の人は受身の状態となり酔いやすいのです。ですから、進行方向がはっきりと見える前の方の座席にすわると酔いにくくなります。

乗り物酔いに強くなるような訓練法は加速度耐性訓練をすることです。日ごろからブランコ、すべり台、シーソー、鉄棒、自転車、一輪車、マット運動など身体の前後、左右、上下、回転などあらゆる加速度に慣れるためのいろいろの運動をすることが大切です。積極的に乗り物に乗り、少しずつ慣らすことも大切です。冷水・乾布摩擦など自律神経訓練法も効果があります。

〈乗り物酔いの予防〉
乗る前の対策
 1)乗る前日はよく眠る。食事は腹8分目にする。
 2)乗り物酔いになることがわかっている人は学校医や主治医の先生に相談して酔い止めの薬を予  め飲んでおく。

乗り物に乗ってからの対策
 1)バスは前から4、5番目の席、船は振動の少ない中央部に座る。
 2)本を読まない。遠くの景色を見る。
 3)乗り物内の換気を良くし、いやな臭いがこもらないようにする。
 4)気分をまぎらすために歌をうたったり、ゲームをする。

 乗り物に酔ってしまったら場合は、乗り物を下車するのが最もよい方法です。下車出来ない場合は横になって、ベルトや衣服をゆるめ腹式呼吸をさせます。頭部を冷やし、室内の換気をよくしてください。乗り物酔いであれば間もなく回復します。

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