介護・ヘルパー心得ナビ

介護 ホームペルパー 介護福祉士 介護保険 介護用品 介護食品 介護支援専門員 老人ホーム

多汗症とは

はっきりとした原因もなく、掌、脇、足の裏などに異常に多くの汗をかく疾患です。多汗症の患者さんの多くは、幼少時から人より汗をかきやすいのに気づいています。それが思春期に入ると本人がそれを意識するせいもありますが、増悪し病院を訪れるという傾向が見られます。手や足だけでなくすべての多汗症は、全人口の4%以上といわれており、決して珍しい病気ではありません。

この疾患は痛みもありませんし、内臓の検査をしても正常です生命に対しての影響はまったくありません。しかし、手がいつも濡れているので、テストの答案を汚さないように気を配ったり、握手をすると他人に不快感を与えるのではないかと考えたりしているうち、次第に社会活動が制限されてしまいます。またこの発汗には精神的な要素も強く、汗に対して気を使えば使うほどたくさんでてしまいます。

大勢の人の前でスピーチをする、試験を受けるなど精神的に緊張すると、誰でも多少は手のひらに汗をかくものですが、多汗症では、この反応が特に強く現れます。普通の人ならば特に緊張しないような場面、たとえば買い物をしてお釣りをもらう、またはお釣りをもらうことを考えるだけでも手のひらに沢山の汗をかいてしまうのです。多汗症の方の中には、他人の肌に触れて不快感を与えるのではないか、商品や書類を汚してしまうのではないかという不安を持ち続けるため、性格が暗く消極的になってしまう人もいます。

汗は汗腺から分泌されるものです。汗腺に汗を出すことを促す指令は交感神経を経由して伝達されます。交感神経の中枢(源)は脳の中にありますが、多汗症の患者さんではこの中枢が過敏なため、眼や耳、皮膚の感覚から入って来た様々な情報に反応して、汗腺に汗を出す指令を出すのです。


二つの発汗

発汗には温熱性発汗と精神性発汗の二つの種類があります。温熱性発汗は体温を調節するためのもので、気温が高い時や運動をした時に体を冷やすために起こる現象です。これは主に頭部や背部に現れます。

一方、精神性発汗は気温や運動とはあまり関係なく、精神的な緊張に伴って起こるものです。この発汗は手のひらや足の裏に多く見られます。一般に多汗症と呼ばれるのは、この精神性発汗に属するものです。

温熱性発汗は、われわれの生命を維持していくのに不可欠なものなので、これを止めてしまうことは好ましくありませんが、精神性発汗は、過剰になると社会生活を行う上でとても煩わしいものとなるため治療の対象となります。

スポンサーリンク

様々な手術方法

多汗症の手術では、通常交感神経を1箇所で切断・切除するか、切断する代わりに神経を小さなクリップで挟んでしまう手術も可能です。ほとんどの場合、それで手のひらの汗は、半永久的に停止または劇的に減少します。しかし、手術後の代償発汗に対する不安が強い方に対しては、神経を一部だけ切除したり、切断せずに熱を加えるだけにとどめたりする方法もありますが、これらの手術方法では神経の遮断が不完全なため、汗を完全に止めることは難しく、再発も起こりやすいという欠点があります。


手術の副作用

手術の副作用には手術操作そのものによるものと、交感神経が遮断された事によるものがあります。手術の直接的な副作用(合併症)としては、術中の出血、傷口からの感染、気胸(肺が十分に脹らまない状態)、血胸(肺に血液がたまる)、腋から腕にかけてのしびれ、不慮の事故(麻酔のトラブルや薬物アレルギー)等がありますが、起こる確率は、すべて合わせても1%以下です。

腋や腕のしびれは、まれな副作用ですが、手術中の体位(腕を上げた状態)や手術の操作で肋間神経に影響が及んだときに起こることがあります。数週間から数ヶ月間で治癒します。交感神経が遮断されたために起こりうる副作用には、主なもので代償発汗、味覚性発汗、ホルネル現象(まぶたが重たくなる症状)などがあります。


代償性発汗

代償発汗はこの手術を受けた方には必ずと言っていいほど現れる現象です。これは手術により減った顔面や頸部の汗を、体のほかの部分から分泌して補う現象(汗の引っ越し)ですが、背中、胸、大腿部に多く見られます。代償性発汗の量には個人差があり、手術前から顔や体の汗が多いいわゆる“汗かき”の人には沢山出る傾向があり、発汗部位と量は人、季節、手術後の年数によって変化するようです。代償性発汗は、気温の高い日や運動したときには衣服が湿ったり、濡れたりして不快なものですが、体温を調節する大切な役目を持っているのです。もし代償性発汗が起こらず、体温が上昇することがあれば、体の全ての機能は停止してしまいます。人によって25℃以下だと代償性発汗が起こらないと言う方もいます。

少数の方ですが、背広やスカートが穿けなくなったり、下着や服を何枚も着替える必要になったり、ある部分に異常に汗が出るようになったり、風邪を引きやすくなったりしたと訴える方がいます。この手術は、手、上肢、顔など手術したところより頭側の汗が止まり、その汗が他の部位に引越しをする手術です。この代償性発汗で、手術を後悔する人がいますので、保存療法を十分したうえで、自分にとって何がよい方法かをよく考えて、手術の適否や手術方法などを決定してください。

この場合の治療は、保存療法が最も良いと考えます。第一に、速乾性の下着を着用することです。さらに薬物療法があります。プロバン・サインという多汗を抑える薬を1日3回長期に服用しながら、塩化アルミニウムの薬を塗ると良い場合があります。また、抗うつ薬や安定剤、抗てんかん薬などを飲むと良い場合もあります。


味覚性発汗

味覚性発汗は、手術後数ヶ月して始まる熱いものや刺激物を食べたときに顔から発汗する現象です。この現象は手術を受けた方全員に起こるわけではありません。また、元々辛いものを食べると汗をかく体質の人は、特に意識することはないかもしれません。味覚性発汗は必ずしも熱いものや刺激物を食べたときだけに現れるとは限りません。甘いものや特定の食品のみ、場合によってはかむだけで反応して発汗する場合もあります。この発汗は食事が終わるとともに止まります。


ホルネル現象

まぶたが重たくなるホルネル現象は第一肋骨の上にある交感神経が傷害されたとき起こる現象です。この神経は、本来多汗症の治療で遮断するものではありませんが、脂肪が厚いなどの理由で電気メスを長時間使用したときに熱が周囲に及ぶことで影響を受けます。現在では手術器具や手術方法の改良によりこの副作用の起こる危険は非常に少なくなっています。まぶたの重くなる症状は、点眼薬を使うことにより対処が可能です。しかし、ここ5年この副作用は起こっておりません。


その他の術後の訴え

手の発汗がなくなるため、手の潤いがなくなるため、手の乾燥やひび割れが冬起こりやすくなります。対処法としては、ハンドクリームやケラチナミンクリームをつけて潤いをつけることです。

まれに自律神経失調症になる方や冬寒いときに手が冷たくなる方がいます。

手術後2年以上して、問い合わせで頭痛、胸痛、アトピー性皮膚炎、疲れやすい、ふけが多くなった、手がしびれた、頭がのぼせる、顔が火照る、母乳時に発汗があると訴ええる方がいました。片側だけ手術をされた方に、まれに反対側の顔面に赤面が起こることがあります。 そのほか予想もされていない合併症が起こることがあります。

スポンサーリンク

Comments

Comment Form