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タンパク尿

腎臓は長径10cmにそらまめの形をした小さな臓器で、腰の背中側の左右に1個ずつ合計2個あります。 その働きは実際にはとても複雑なのですが、一言でいえば、尿を作ることにあります。尿を体外に捨てることによって体内にたまった老廃物を捨てたり、水分・電解質のバランスを保ったりしているのです。この腎臓の働きが衰えると、体に毒がたまり全身に倦怠感や貧血、食欲不振などの症状が出ます。また、水が過度にたまると全身がむくんだり、肺に水がたまって呼吸困難になったりします。これらの症状をまとめて尿毒症と呼び、この腎臓の機能が弱った状態を腎不全と呼んでいます。腎不全が進行すると生命に危険になるため、血液透析や腹膜透析といった透析療法や腎移植が必要となります。

腎機能の低下が永続的で回復の可能性のない場合を慢性腎不全と呼んでいますが、1996年12月31日現在、我が国で慢性腎不全のために透析を受けている方は約16万7千人であり、毎年1万人の割合で増加しています。(従って現在ではおよそ約18万人の方が透析を受けていると推定されます。)1996年1月から1年間で28、238人の方が新たに透析を開始されており、その原因となっているのは1位が慢性糸球体腎炎(38.9%)、2位が糖尿病性腎症(33.1%)です。つまり2つの疾患の治療法の確立が、慢性腎不全の患者さんを減少させるために不可欠です。

慢性糸球体腎炎といっても具体的なイメージに浮かばない方が多いと思います。この病気の多くは無症状で、検診で尿タンパクや潜血が指摘されることで発見されます。運の悪い方は数年から数十年で慢性腎不全に至り透析療法や腎移植が必要となります。もちろん長年にわたって腎機能の悪化しない方もいます。

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以前には、腎機能の悪化しない方が大多数で腎不全になるのはごく一部と考えられていました。しかし現在では、代表的な腎炎であるIgA腎症という診断のついた患者さんの場合、20年間観察すると3割以上の人が腎不全に至り透析が必要になると考えられています。したがっていくら無症状であっても尿タンパクが指摘されたら放置しない方がよいのです。一般に尿タンパク料が多い人や高血圧の合併している人で腎機能が悪化する傾向が強いため、24時間貯めた尿の尿タンパク料を測定してその量が多い場合には腎生検という検査をするようにしています。腎生検とは腎臓の一部の組織を採取して顕微鏡でそれを観察する検査のことです。最近は技術・医療器具の進歩のおかげで安全に施行できるようになりました。腎生検の結果によって、ステロイド剤や免疫抑制剤といった作用の強い薬を使ったほうがよいと考えられる病気が見つかったり、逆にあまり積極的に治療しない(放っておいてあまり悪くならない)腎炎と診断されることもあります。

慢性腎炎は治療が確立しておらず根治するのが難しいため、早期に発見しても腎不全に至ることがあります。しかし、各種の薬物療法や食事療法の組み合わせにより腎機能低下のスピードを遅らせ、透析への移行を減少させられると考えられています。また、今後さらに優れた薬剤が開発されるかもしれません。

たかがタンパク尿、されどタンパク尿です。すぐに検査や治療が必要なケースもとりあえず今は様子を見ているほかないケースも、本当は正常だけどたまたま検査でひっかかってしまったケースも存在します。もしタンパク尿が陽性と言われてしまったら、とりあえず専門医に受診してみて下さい。

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